デフリンピック×IT、共生社会を実現するテクノロジーの挑戦
こんにちは、Itoopの原です。
いよいよ11月にデフリンピックが開催されます。
みなさん、デフリンピックはご存知でしょうか?
最近、駅など公共の場でもポスターを見かけるようになりました。
恥ずかしながら私は、デフリンピックの存在を今年に入って初めて知りました。
今年開催のデフリンピックは、単なるスポーツイベントだけでなく、ビジネスや社会の在り方を問いただすことでも注目されています。
デフリンピックとは

デフリンピックとは耳が聞こえない/聞こえづらい、デフアスリートのための国際的なスポーツ競技大会です。
競技中は、補聴器などを外して、全員が公平に競技を行います。
オリンピックと同じ、4年に1度の開催頻度となっており、今年で44回目の開催になります。
歴史としては、1924年に初めて開催されたので、今年で100年という歴史をもっています。
そして、今年は記念すべき年で日本で初めての開催になります。
冒頭でもお伝えしましたが、駅などでデフリンピックのポスターをよく見かけるようになったのは、そのためです。
今年のデフリンピックは一味違う!

今年の東京デフリンピックは、IT技術を活用した、情報保障が大きなテーマとなって開催されます。
情報保障とは、障害を持っているかどうかに関わらず、すべての人が必要な情報を等しく得られるようにする取り組みです。
今年は、新たなIT技術を盛り込んでいます。
音声をリアルタイムで文字化し、透明ディスプレイに表示するシステムを導入しています。
これは、デフリンピックの開催だけではなく、近年増え続けている外国人観光客にも配慮ができている仕組みにもなっています。
また、スポーツのラリーの音(例えば卓球等)を擬音語で表示する仕組みも開発されたことによって、音の「感覚」を共有できるようになりました。
これは、日常の広告やエンタメの分野でも今後応用されていく方針です。
デフリンピックを透して見る、今の社会

デフリンピックは、障害者のための大会ではなく、誰もが力を発揮できる社会を体現できる場であり、各企業の意識が問われているとも言えます。
今年のデフリンピックはIT企業も多く協賛しており、補聴器メーカーや音声認識技術を開発している企業などが技術支援を通じて大会を支えています。
今年、日本で初開催となるデフリンピック、あなたはここから何を読み解きますか?
耳が不自由な人にも自由な世界を
今回は、デフリンピック×ITがテーマでしたが、耳が聞こえない人のためのITは他にも発展しています。
例えば、eスポーツの進化です。
視覚を活用して行うゲームが開発されています。光、振動、字幕を活用してゲームを進めます。
聴覚障害者向けの大会や配信も増加しており、手話通訳付きの実況、視覚的フィードバックを重視したゲーム設計での市場も拡大中です。
さいごに
私たちの、当たり前だという概念、こうあるべきものだという概念は、今のIT市場もしかり、社会的に徐々に壊されつつあります。
このデフリンピックが、日本で初開催するということで、私自身、社会のあり方や自分の仕事の価値観を考えさせられるきっかけとなりました。
全ての人が本当に活躍できる社会になればいいなと思います。
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【島袋尚美(株式会社ゆいまーる 代表取締役社長)】
『若者のエンパワーメントを通じて、日本を元気に』を理念に、2016年に株式会社ゆいまーるを設立。Itoop(ITエンジニアキャリア支援/ITコンサルティング)、JUNGLE BREWERY(クラフトビール事業)、甘酒・雑貨かふぇ こめどりーみんぐ(飲食店)、Carellia(キャリア支援)など複数の事業を展開。ママ社長として、2児の子育てにも事業にも奔走中。
▶HP:http://yuima-ru-tokyo.com/
▶広報部note:https://note.com/yuimaru_tokyo
【島袋尚美の経歴】
沖縄県出身。筑波大学卒業後、ITエンジニアとして証券会社に入社。
入社2年目で日本IBMに転職し、同時にダブルワークで立ち上げの準備を開始する。
28歳で独立し、2016年に株式会社ゆいまーるを設立。
現在は国際結婚を機に子育てをしながら、ママ社長として複数の事業を精力的に展開中。
その活動は広く注目され、「Vogue」や「沖縄タイムス」をはじめとする多数のメディアで掲載される