未経験からITエンジニアになる為の4ステップ~①キャリアビジョンを決める~

こんにちは。竹田です。

桜が咲いていたと思ったら、最近は夏のような暑い日が続いていますね。
皆さんは、GWどう過ごしましたでしょうか。
私は、久しぶりの長期休みだったので、家の掃除や衣替え、友達とのBBQ、そして日頃できなかった勉強など、有意義な時間を過ごすことができました。

さて最近、未経験の業界からITエンジニアへの転職を目指す方が増えていると感じます。
そうした方々にとって、最初に立ち止まって考えるべきなのが、

「自分はなぜITエンジニアを目指すのか」
「将来的にどのようなキャリアを築きたいのか」

といったキャリアの方向性です。

未経験からITエンジニアを目指す上での「キャリア設計」には下記の4ステップがあると思います。

1,キャリアビジョンを決める
2,就職・キャリアパス・雇用形態の方向性を定める
3,アクションプランを立てて実行する
4,ITエンジニアとして就業する

今回はこの中でも、最初のステップである「キャリアビジョンを決める」に焦点を当てて、ご紹介します。

キャリアビジョンとは、“人生の旅”の行き先を決めること

キャリアビジョンとは、仕事だけでなくプライベートも含めた「自分の理想の人生像」を指します。
よりイメージしやすくするために、「旅行の計画」にたとえて考えてみましょう。

たとえば旅行に行くと決めたとき、多くの人はまず「ご当地グルメを楽しみたい」「ショッピングをしたい」「自然の中でのんびり過ごしたい」といったやりたいこと=目的から考えるのではないでしょうか。
これが、キャリアにおける「ビジョン」にあたります。

やりたいことが明確になると、「では、どこに行こうか?」「いつ出発する?」「何泊する?」といった具体的な行動計画を立てられるようになります。
さらに、交通手段や宿泊先なども次第に決まり、旅行の準備が一気に現実味を帯びてきます。


キャリアもこれと同じです。
「何をしたいのか」「どんな働き方・生き方をしたいのか」というビジョンを持つことで、進むべき方向性や必要な手段がはっきりしてくるのです。

具体的には、「歴史ある街並みをのんびり歩きながら観光したい」と思ったとします。
その理想を叶えるために、京都行きを選び、休みをいつ取るかを考え、新幹線の時間を調べて切符を購入し、旅を実現させていくことでしょう。
キャリアにおいても、同じように「目指す姿」から逆算して計画を立てていくことが大切です。

「プロティアン・キャリア」で考える自分らしいビジョンの描き方

ここからは、私自身がキャリアビジョンを考えるうえで役立った「観点」についてご紹介します。
なかでも参考になったのが、「プロティアン・キャリア」という考え方です。

プロティアン・キャリアとは、変化の激しい時代において、個人が主体的にキャリアを形成していく考え方を指します。
環境や価値観の変化に柔軟に対応しながら、自らの意思で必要なスキルや知識を身につけ、キャリアを築いていくアプローチです。

この考え方では、キャリアを考える指標として以下の3つの「資本」が重視されています


・人的資本:個人が持つスキルや知識、経験など。プログラミングスキル、ビジネススキル、語学力、学歴、職歴、資格など、自分の価値を高める要素全般が含まれます。

・金融資本:仕事を通じて得られる報酬や資産のこと。ライフスタイルや将来の安心を支える大切な要素です。

・社会資本:人とのつながり。職場や業界内の人脈、信頼関係など、情報や機会の源となる資本です。


私自身もこの3つの視点から自分のキャリアを見つめ直すことで、「何を大切にしていきたいのか」「どんな状態が理想か」という自分の価値観の軸を整理しやすくなりました。

キャリアビジョンを描く際に、こうしたフレームワークを使って自分の資本を棚卸しすることは、非常に有効だと感じています。

4つの視点で描くキャリアビジョン

この3つの資本からキャリアをプランするというプロティアン・キャリアの考え方をベースに、人生の理想像を具体的に描いてみましょう。

私自身は、人生の理想像を考える際に、以下の4つの視点に分けて整理することで、自分の価値観や目指す方向性がより明確になりました。

■経済面
まずは、仕事を通じて「どれくらいの収入を得たいのか」「何のために稼ぎたいのか」を明確にすることが大切です。
私の場合は「3ヶ月に一度は海外旅行へ行きたい」「親が万が一のときに経済的に支えたい」といった目標があり、それらを実現するためには現在の収入の約3倍が必要だと試算しました。

■仕事面
「自分はどんな仕事に携わりたいのか」「どのような働き方をしたいのか」を考える視点です。
私はもともと明確にやりたい仕事があったわけではありませんでしたが、経済的な目標を実現する手段として、単価が上がりやすい職種を検討し、結果としてプロジェクトマネージャー(PM)を目指すというキャリアを選びました。

■家族、人間関係の面
ライフイベント(結婚、出産、育児など)はキャリアにも大きく影響を与えます。
私自身は、将来出産を迎えるタイミングで「2年間仕事を休んでも生活できる蓄えを持っておきたい」と考え、家族を大切にできる状態で働ける環境を想定してキャリアビジョンを描きました。

■自分の成長ややりがいの面
仕事とも連動しますが、ITエンジニアとしてどんなスキルを習得したいか、どの分野のスキルを伸ばしていきたいかといった点も考えておきたいところです。
私は、ゼロからシステムを立ち上げる工程に関わり、お客様の声をもとに構築を進めていくことで、コミュニケーション能力やヒアリング力を高めたいと考えました。

また、どのようなビジネスパーソンとして成長していきたいかを考えることも、キャリア設計には欠かせません。
たとえば「チームを牽引するリーダー」なのか、「支える立場で貢献するサーバントリーダー」なのか。
自分の理想とする“リーダー像”や“ありたい姿”を描くことで、キャリアにおける方向性や成長の軸が見えてきます。


キャリアビジョンを描く際は、こうした複数の視点から自分を見つめ直し、理想と現実のギャップを可視化することが第一歩です。
そのギャップを埋めていくプロセスが、まさにキャリア形成そのものと言えるでしょう。

おわりに

私がキャリアについて真剣に考え始めたのは、30代・40代の先輩方から「将来のビジョンをしっかり描いておいたほうがいい」とアドバイスを受けたことがきっかけでした。

その言葉をきっかけに、自分なりに将来を見据えて行動を始めたことで、現在の収入やキャリアの選択肢にも大きな変化が生まれたと実感しています。
キャリアビジョンを明確にしたことで、「今、自分にどんな力が必要なのか」がはっきりし、迷いなく仕事に取り組めるようになりました。

これからITエンジニアを目指す方や、キャリアを見つめ直したい方にとって、少しでも自分らしいキャリアビジョンを描くヒントになれば幸いです。

そしてもし、「自分のキャリアビジョンがまだ定まっていない」「誰かに相談して整理したい」と感じた方は、Itoopではキャリア相談を実施しています。
未経験からエンジニアを目指す方も、これからの働き方を考えたい方も、お気軽にご相談ください。

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【株式会社ゆいまーる(代表取締役社長 島袋尚美)】
『若者のエンパワーメントを通じて、日本を元気に』を理念に、Itoop(アイティープ:ITエンジニアキャリア支援/ITコンサルティング)、JUNGLEBREWERY(ジャングルブルワリー:クラフトビール事業)、Carellia(キャリリア:キャリア支援)など複数の事業に取り組んでいます。
▶HP:http://yuima-ru-tokyo.com/
▶広報部note:https://note.com/yuimaru_tokyo

【島袋尚美の経歴】
沖縄県出身。筑波大学卒業後、ITエンジニアとして証券会社に入社。
入社2年目で日本IBMに転職し、同時にダブルワークで立ち上げの準備を開始する。
28歳で独立し、2016年に株式会社ゆいまーるを設立。
現在は国際結婚を機に子育てをしながら、ママ社長として複数の事業を精力的に展開中。
その活動は広く注目され、「VOGUE」や「沖縄タイムス」をはじめとする多数のメディアで掲載される。