データセンターと電力会社の深い関係性とは?ITが経済に与える影響を考える
こんにちは。
Itoopの原です。
最近食生活の改善をしているのですが、体質が変わってきました!食事は大事だと実感している日々です。
さて、今日は、電力会社の需要と供給のバランスからみるIT業界が及ぼす経済の話をしていきます。
1つの物事でもいろんな観点からみることで、価値観は無限に広げることができます。
先日の日経新聞の1面に載っていましたが、現在、世界的にデータセンターが建設ラッシュだと、ご存じでしょうか?
そして、そのデータセンターの建設ラッシュは、電力会社に大きな影響を与えています。
データセンターとは

そもそもデータセンターについて知らないという人も多いかと思いますが、データセンターとは、サーバーが置いてある施設のことです。
規模は様々ですが、サーバーの数が、数十ラックを置ける小規模のものから、大規模のものだと5000ラック置くことができるデータセンターも存在します。
ちなみに余談ですが、このサーバーとは非常に重要なもので、もしこのサーバー自体が壊れてしまったら、あなたが日頃お使いのスマホの中のアプリケーションは、その瞬間から使うことができなくなってしまいます。
非常に重要な機械なので、データセンターは会社の者のみ場所を知ることができる、なんていうデータセンターも存在します。
そして、人々の生活インフラに関わるシステムのデータセンターは、バックアップ用に、同じ施設のものを遠く離れた場所に設置している場合もあります。
このデータセンターの建設ラッシュによって電力会社はうれしい悲鳴をあげているといいます。
データセンターの建設ラッシュの原因

今、世界的に建設ラッシュの原因は、ほとんどがAIの需要によるものです。
AIが私たちの生活の中に徐々に浸透しているのはみなさんも感じていることかと思います。
以前のコラムでもお伝えしたように、Google検索した際にトップに出てくる検索結果は、AIの回答です。
このように、意識をせずにAIを使っているということもあるでしょう。
私たちの身の回りにAIの活用が広がっているということは、そのシステムのデータを保存する場所も同時に多く必要だということです。
そして、そもそも、サーバーは電源に接続して使用するものであり、その数が増えることで、電力会社の需要も増幅します。
データセンターの需要が伸びている原因

サーバーはとてつもない消費電力を使います。
サーバーは機械なので、稼働が増えると機械自体が熱を帯びてきます。
そのため冷却が必要となり、大規模のデータセンターになってくると、電力の消費を少しでも効率よくするために、冷たい空気が通る通路と熱い空気が通る通路を意図的に分けています。
さらに、みなさんも今までの人生で1度は停電に遭遇したことがあるのではないでしょうか。
そのいつか起こり得る停電時のための対策として、非常用発電機なども必ず設置しています。
これらすべてに大量の電力が使われています。
一般的なデータセンターの場合、消費する電力量は中小都市一つ分の電力にもなるといわれています。
このような規模の電力を安定的に供給できるのは、それなりの電力会社でないと成り立ちません。
電力会社とデータセンターの相互関係と今後の課題

電力会社にとってデータセンターはVIP顧客です。
年間を通じて安定的な電力需要があり、しかもITの進化と共に需要は比例していきます。
しかし、同時に新たな課題にも直面しているといいます。
主な課題は需要が急増するがあまり、設備の強化が追いついていない点です。
送電する際の配線や発電設備そのものの設備が思うように整っていません。
併せて、現代特有の再生エネルギーにも力を入れる必要もあり、その点を考慮した設備を整えるとなると、莫大な経済力も必要になってきます。
そして、環境にも配慮した運用も1つの大きな課題となっています。
消費電力が増えるということは、同時にCO2の排出量の増加にもつながります。
この観点でも省エネ技術の導入など、電力の利用効率を高める動きも同時に必要になってきます。
最後に
この記事をみて、経済の需要と供給のバランスが面白いなと思いつつ、私は自分の視野の狭さに気づかされました。
データセンターと電力会社は異なる産業に捉えることもできますが、データセンターはIT分野、電力会社は生活インフラという考えではなく、細分化して考えるとこの2つの需要と供給の関係性が見えてきます。
このように、1つの側面だけでなく、いろんな角度から1つの物事を見ると、見えてこなかった関係性が見えてきます。
みなさんもぜひ、たくさんの観点をもって日頃の業務に勤しむことができると、新たな仕事の進め方を発見できるかもしれませんね。
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【株式会社ゆいまーる(代表取締役社長 島袋尚美)】
『若者のエンパワーメントを通じて、日本を元気に』を理念に、Itoop(ITエンジニアキャリア支援/ITコンサルティング)、JUNGLE BREWERY(クラフトビール事業)、Carellia(キャリア支援)など複数の事業に取り組んでいます。
▶HP:http://yuima-ru-tokyo.com/
▶広報部note:https://note.com/yuimaru_tokyo
【島袋尚美の経歴】
沖縄県出身。筑波大学卒業後、ITエンジニアとして証券会社に入社。
入社2年目で日本IBMに転職し、同時にダブルワークで立ち上げの準備を開始する。
28歳で独立し、2016年に株式会社ゆいまーるを設立。
現在は国際結婚を機に子育てをしながら、ママ社長として複数の事業を精力的に展開中。
その活動は広く注目され、「Vogue」や「沖縄タイムス」をはじめとする多数のメディアで掲載される。